This Not A Blog

自分の映画 アニメ 漫画 特撮などへの考え方を明確にするためのブログです。

「時間」を感じさせる作品たちpart2 「ミッション8ミニッツ」と「未来戦隊タイムレンジャー」

今回は、前回の記事の続きとなります。映画ファンからは、隠れた名作として認知されている作品と、特撮ファンからの評価も高い作品の2作を紹介します。

 

注意 今回の記事には、ネタバレが含まれていますので、回覧は自己責任でお願いします。

 

 

 

8分の中で変わりゆく人生「ミッション8ミニッツ」

f:id:slyuroder:20170702135427j:plain

アメリカ陸軍パイロットのスティーブンス大尉が目を覚ますとAM7:40、シカゴ行き通勤列車の中。しかし周りの光景にも、自分に話しかけてくる同席の女性、クリスティーナにも全く見覚えがない。鏡に映る自分の顔も別人であり、所持していた身分証には教員ショーン・フェントレスと書かれている。そして8分後、列車は大爆発を起こして乗客は全員死亡する。再び目を覚ますと、モニターに映る謎の女性から、先ほどの体験がこの爆破事件の犯人を見つけ出すために、死亡した人間の記憶から作られたシミュレーションであると聞かされる。スティーブンスはいつ終わるかもわからない8分間を繰り返していく・・・

 

なぜこの映画がただのSF映画の域を出た高評価を受けているのか。それは、この映画の後半から紡がれる物語が、非常に哲学的で普遍的な、「意味のある人生とはなんなのか」というところにまで行き着くのだからだと思います。主人公は、この世界は死んだ人間の残像であり、この乗客たちを救うことはできないと告げられても、せめてこの8分間を意味あるものにしようと、最初は苛々としてまともに取り合わなかった乗客たちそれぞれに目を向けていきます。それによって彼はたった8分間で、乗客やクリスティーナ、自分の世界を救うことになります。それによって導き出される新たなる世界。非常に感動的なラストです。監督は「月に囚われた男」で一躍名を上げたダンカンジョーンズ。デヴィッド・ボウイの息子でもある彼ですが、この素晴らしい映画を作り上げた彼の作家性は、間違いなく父親譲りであると思います。同じ時間を繰り返すループ物SFと言うと、この作品によく似た作品は、「恋はデジャ・ヴ」であると思います。こちらも、人生の本質を考えさせられる名作です。どちらもぜひ見てみてください。

新しい時を刻むために「未来戦隊タイムレンジャー

f:id:slyuroder:20170702142526j:plain

西暦3000年の未来。時間移動技術が確立され、異星間移動も可能になった未来。不法な歴史修正を監視する組織「時間保護局」に、1000年の圧縮冷凍刑を受けることになっていた大物マフィアのドン・ドルネロが、自分の部下と共に逃亡としたという一報が入る。隊長のリュウヤと新人隊員のユウリ、アヤセ、ドモン、シオンと共に逮捕に向かうが、策略に嵌められ、体調が行方不明のまま囚人を収容したロンダ―刑務所ごと、西暦2000年の日本へとタイムトラベルしてしまう。意気消沈する4人の前に現れたのは、リュウヤにそっくりな現代人の浅見竜也。事態の収拾を図るため、緊急用の強化スーツを身に着けようとする4人だったが、5人でなければ初起動できないという制約がかけられていた。そこで、竜也を半ば成り行きでメンバーに加え、一人目の囚人の冷凍に成功する。ここから、4人の未来人と1人の現代人の物語が幕を開ける・・・

 

この作品は、既に私の周囲で様々な角度から論じられている作品なので、今更論じることもないでしょうが、私が感じたことを書いていきたいと思います。まず感じたのは、4クールの物語としてこれ以上なく完成された脚本の妙です。大きな枠組みと、小さな枠組みの対比。つまり、歴史の流れという、抗いようのない大きな物語と、個人の日々の日常から浮かび上がる小さな、しかしそれでいて確実にドラマティックな物語の対比。この構造は、「この世界の片隅に」を連想しました。特に多くの方がさんざん指摘している通り、タイムブルーことアヤセに代表される「生への渇望」のモチーフがこの作品には内在しています。明日を守ると宣言した竜也や、死を回避しようとする黒幕のリュウヤ隊長など、徹底されていました。スーパー戦隊シリーズならではの、基本は勧善懲悪と言う部分も守りつつ、ここまで心理描写をうまく混ぜ込んだ作品はなかなかお目にかかれないと思います。各キャラクターをみんな好きになれた戦隊は初めてでした。流石、小林靖子と言った所でしょうか。だからこそ、アマゾンズは本当に惜しいと言わざるを得ません。仮にもヒーロー番組で扱うにはあまりにも場違いなテーマでした。まあ、きちんと見れる分のクオリティではあったのは救いでした。その分もっとこうすればよいという惜しさばかりが前面にでていたのは否めません。先駆者兄貴たちの批評もぜひご覧ください。私よりも多くの特撮を見てきている方がこのインターネットという海にはたくさん居ますので、そちらのほうを見ていただいたほうが良い部分もたくさんあります。以上でこの駄文を終わりたいと思います。ここまで読んでくださってありがとうございます。